報告

「県内企業の多様な人材確保を考えるシンポジウム」を開催しました

2025.03.31

 令和7年2月3日(月)13:30~16:00

 香川大学幸町キャンパスOLIVESQUARE多目的ホール
 (高松市幸町1-1幸町北キャンパス内)
 ※オンライン同時配信

 ○会場参加者:49名
 ○オンライン参加:35名
 計:84名

 大学・地域共創プラットフォーム香川
 (県内企業の多様な人材確保支援プロジェクトチーム)

 令和6年5月、大学・地域共創プラットフォーム香川内にプロジェクトチームを設置し、県内企業を対象とする中途採用や高度外国人材の活用、新卒者の早期離職対策に関する実態調査及びその対策の検討を行ってきました。
「県内企業の多様な人材確保を考えるシンポジウム」では、第1部で県内企業を対象とするアンケート調査の概要について説明し、第2部で、県内企業の人材確保を検討する上でのポイントや今後求められる対策への具体的な提案について、中途採用・外国人材・早期離職者対策の3つのセッションに分けて、パネルディスカッションを行いました。

 プログラムに先立ち、大学・地域共創プラットフォーム香川会長上田夏生(香川大学長)、香川県商工労働部次長藪木泰伸様から開会挨拶が行われました。

第1部 多様な人材確保支援プロジェクトについて
 香川大学副学長(大学・地域共創プラットフォーム香川事務局副局長)原直行が、「県内企業の多様な人材確保支援プロジェクト」に係る概要説明を行いました。
 その後、県内企業を対象とするアンケート調査全体の概要について事務局藤澤一仁が説明を行い、中途採用の調査結果のポイントについては香川大学経済学部教授青木宏之が、高度外国人材については原直行が、早期離職者対策については香川大学経済学部准教授松岡久美が、それぞれ解説しました。

プロジェクトチームの概要説明

第2部 県内企業の多様な人材確保支援に関するパネルディスカッション
 【第1セッション】中途採用の目指すもの
 協同組合全国企業振興センター理事長田中尚人氏から、「富山“Re-Design”ラボ」※の事例紹介が行われ、香川大学大学院地域マネジメント研究科(社会人MBA)中村正伸研究科長から、県内企業の多様な人材確保に向けて「社会人MBAの貢献可能性」ました。香川経済同友会國村専務理事からは、同取組みが採用前のお試しができることについて、企業と労働者の双方にメリットがあるものであると、地元企業の期待感を述べ、また、香川県政策部地域活力推進課常金課長補佐からは、香川県の経済活性化における期待感を述べました。
※産学官が連携し、大都市圏の中核人材(専門性やスキル、マネジメント能力を有する人材)を富山大学の協力研究員として受入れ、未来に向け変革を進める企業とマッチングを行います。協力研究員は半年間、富山県に住みながら、富山大学のリソースを活用した特色あるリカレント教育の受講とマッチング先企業での経営課題解決の実践を行い、自身のキャリア、企業、地域それぞれのRe-Designに取組む実践型リカレントプログラムです。
 
○ファシリテータ:青木宏之
○パネラー:中村正伸氏(香川大学大学院地域マネジメント研究科長)
      田中尚人氏(協同組合全国企業振興センター理事長)
      國村一郎氏(香川経済同友会専務理事)
      常金志信氏(香川県政策部地域活力推進課課長補佐)

第1セッション

【第2セッション】高度外国人材の目指すもの
 原直行より、多文化共生の考え方の浸透の重要性について説明するとともに、宮崎大学で実施されている「B-JET」※の事例紹介が行われました。㈱UR/ヒューマンプランニング㈱植村代表取締役からは、外国人材の採用に当たり企業に求められること、大学に求められていることについて発言があり、パネルディスカッションを通じて、地元の日本人学生との交流機会を持つことによる県内定着の重要性や、ビジネスマナー等について教える機会がないことや企業との連携不足など、大学側の課題などについて意見交換が行われました。
※宮崎大学のB-JET(Bangladesh-Japan ICT Engineers’ Training Program)は、バングラデシュのICT人材を対象に、日本のIT企業での就職を目指すための包括的な研修プログラムです。2017年にJICA(国際協力機構)とバングラデシュ・コンピュータ評議会(BCC)の協力で開始され、2020年までに約280名が参加し、約70%が宮崎県内外の日本企業に就職しました。

○ファシリテータ:原直行
○パネラー:日笠倫周氏(高松大学経営学部講師)
      大山裕介氏(高松商工会議所事業推進部産業・人材課長)
      植村亮子氏(㈱UR/ヒューマンプランニング㈱代表取締役) 
      島倉恒太氏(香川県政策部地域活力推進課主任)

第2セッション

【第3セッション】早期離職者対策の目指すもの 
 松岡ファシリテータからは、若者が「ここで働き続けたい」と思えるような魅力ある企業・職場への変革が求められており、そのためには、経営者・人事担当者の意識改革が不可欠であることを説明しました。具体的な解決策として、学生と地元企業とのPBL授業や、企業経営者・人事担当者との意見交換の場として、リカレント教育やセミナーの開催、産学官の様々なプレイヤーとの意見交換との提言があり、パネラーはその必要性について意見交換が行われました。

○ファシリテータ:松岡久美
○パネラー:天谷研一(香川大学経済学部教授)
      片桐操(高松商工会議所事業推進部産業・人材課主査)
      植村亮子氏(㈱UR/ヒューマンプランニング㈱代表取締役)
      岡村武典(香川県商工労働部労働政策課課長補佐)

第3セッション

第3部 総評
 高松商工会議所専務理事新池伸司氏、大学・地域共創プラットフォーム香川事務局事務局長国分伸二よりそれぞれ総評が行われました。

新池専務理事による総評
国分事務局長による総評
※四国新聞社様からの許可を得て、紙面を掲載しております

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